吹奏楽の聖地、吹奏楽の甲子園とも言われる場所
普門館。
1970年に完成され、
1972年に、初めて「全日本吹奏楽コンクール」の会場として使われました。
1977年から2011年まで(2005年を除く)毎年全国大会の会場として使用されましたが、
2012年5月に耐震強度不足が判明して以降、使用不可となってしまいました。
改修工事が検討されましたが、
建築基準法の規制によって、同じ規模の建物が建てられないため、
2018年11月19日に閉館し、今冬から解体工事が行われるということです。
48年間の間に、特に吹奏楽ファンから愛された普門館は、
最後に、粋な計らいを見せてくれました。
先週1週間、11/5(月)〜11/11(日)の期間に、
普門館の舞台を一般開放してくれたのです。
私は、最終日の日曜日に、
レッスンを終えた後、行ってきました!
「全国大会」、しかも、中学の部と高校の部のみ。
人生の中でたった6年しかないその期間に、
普門館の舞台で演奏することが、
吹奏楽をやる人たちの憧れでありました。
私は本当に幸運なことに2度も普門館の舞台で演奏することができましたが、
普門館を目標にしてきたけれどもそれが叶わなかった人たちや、
現役の中高生(現在の全国大会は名古屋国際会議場)の伝説の舞台として、など、
様々な想いをもって、足を運んでいる人がたくさんいました。
打楽器の人がカウベルを鳴らし始め、
自然とその場にいる人たちで、「宝島」の演奏が始まりました。
全く知らない人たちと1つになれる音楽は、
やっぱり素晴らしいと、再認識しました。
私が中学生の時は、インターネットがない時代。
人伝てで聞いた話や、雑誌で見る「普門館」という場所に憧れ、
どうしてもその舞台に立ちたかった。
でも自分はフルートが下手だし、どうしよう。
そうだ!毎年全国大会に行っている高校に入ればいいんだ!
そうすれば、わたしひとりぐらい下手でもみんなが上手いだろうから
普門館に行けるかもしれない!
そんな、甘い考えで全国大会常連校と言われる高校に入って、やっと間違いに気づきます。
ひとりでも下手がいたらダメなのだと・・・。
そして、練習漬けの毎日となりました。
普門館は、黒い床というのが有名で、
「めざせ、黒い舞台!」とか言ったりしましたが、
この白いキズたちも、48年間の歴史を思わせます。
この場所はなくなっても、
ここを目指してがんばった経験というのはなくなりません。
さみしいけれど、ありがとうと言いたいです。