ピアニストに対するマナー
- naokofluteclass
- 10月2日
- 読了時間: 5分
私たちフルート奏者は、
ほとんどの場合、演奏するときに『共演者』が必要ですよね。
ソロ曲ならピアニストだったり、
フルートアンサンブルだったら他のフルート奏者だったり、
吹奏楽やオーケストラなら、他のたくさんの奏者や指揮者。
どれも、一緒に音楽を作る共演者です。
今日は、その『共演者』を大切にしようというお話しですが、
発表会も近くなってきたということで、
ピアニストと共演するときのマナーについて共有したいと思います。
友人同士で、
『今度この曲やろう〜!』
などと一緒に曲目を決めたりして演奏する場合は、対等な立場なので良いと思いますが、
こちらからピアノをお願いして弾いていただく場合には、
ピアニストから良い演奏を引き出すことも、
私たちソリストにとって大事なことだと思っています。
ほとんどの場合、謝礼をお支払いしてお願いするのですが、
「お金払ってるんだからちゃんとやって!」
などと考えるのはあり得ません。
では、ソリスト側はピアニストに対してどのような対応をすれば良いのでしょうか。
私はいつもお願いする側で、ピアニストではないので正解はわかりませんが、
私が気をつけていることを書いてみます。
●報告、連絡、相談
本番の日のスケジュールなどの連絡、
コンクールなら結果の報告、
リハーサルや演奏についての相談
これはできるだけ早く、丁寧に、漏れのないように、
こちらから連絡するのが基本で、
『本番って何時に終わりますか?』などとピアニストに質問をさせてはいけないと思っています。
まだ決まっていないのなら仕方ないですが、
聞かれる前に連絡する!これ常識!!
しかし、
メールなどで、ことあるごとに連絡するのもダメです。
「ここ、こうしてください!」
「あ、やっぱりこうしてください!」
などと頻繁にメールするたびに、
ピアニストは楽譜を見て確認したり、
メールを返信することになり、
それはピアニストにとっては『仕事』なので、
仕事を増やすことになってしまいます。
ピアニストの手を煩わせない。
これとても重要!
ピアニストさんは、たくさんの本番を控えていたりしますから、
できるだけ負担をかけないことが大事だと思います。
●楽譜
必ず、自分で購入した楽譜をコピーして、製本してお渡しします。
製本の仕方は、ピアニストさんによって違うので、
初めてお願いするピアニストさんには、
どのような形で製本すれば良いかを聞きます。
・A4縦で蛇腹
・A4横で2枚入るように配置して蛇腹
・A4縦で本のようにめくれる製本
など、
様々なタイプのピアニストさんがいらっしゃいます。
最近では、
「タブレットで演奏するのでデータでください!」
という方もいらっしゃいますので、
必ず確認が必要です。
製本をきれいにするために、
液体のりではなくスティックのりにするとか、
セロハンテープではなく不織布テープにするとか、
できるだけ演奏に集中していただけるよう、
きれいな状態でお渡しできるようにすることも大事だと思います。
レコーディングなど、
一度でパッとやる特殊な場合などには、
データでお渡ししておき、
当日に製本をお渡しする場合もありますが、
リハーサル→本番など、通常の演奏は製本を郵送します。
それから、
そもそも曲を決めるのが遅かったり、
楽譜をお渡しするのが遅いのもよろしくありません…。
クラシック音楽は、しっかりと準備して本番に臨むものなので、
ピアニストさんが安心して準備を進められるようにしたいものです。
ピアノは音の数も多いので、譜読みはとても大変だと思います。
たくさんの曲を同時に並行して練習してくださっていたりもするので、
可能な限り負担をかけないようにしたいです。
●練習・勉強
曲に対してしっかりと準備をしてから合わせに臨みたいです。
上手・下手ではなく、『準備をしてあるか』が大事です。
初心者の方は特に、自分の演奏に精一杯になることもあると思いますが、
それは全然かまわないし、わかってくださると思います。
演奏で助けてくださったりもします。
でも、ピアノがどんな動きをするのか、、、
フルートが休んでいる時にどんなメロディが鳴るのか、
そういった勉強をしているかどうかで、合わせはスムーズに進みますので、
できることは全て準備してから合わせに臨みたいです。
演奏については、共演者なので対等な立場です。
「こうしたい、こうしてほしい」などと伝えるのは大丈夫ですが、
ピアニストさんの意見も聞きながら進めていくと、良い音楽になっていくと思います。
『私がソリストなんだから、言う通りに弾いて!』という考えはよくありません。
一緒に作り上げていく気持ちが大事ですね。
●謝礼について
これはピアニストさんのスケジュールを押さえる段階ではっきりとしておきます。
こちらから金額を聞く場合もありますし、
〇〇円でお願いできますでしょうか?とお伺いする場合もありますが、
どちらにしろ、最初にはっきりとさせておくのがマナーです。
合わせの回数やスケジュールも同時に確認することが多いです。
そんなところでしょうか…。
私もまだまだ気を遣えていない部分があるかもしれません…。
教室の発表会は、上記のほとんどを私が代行してやっていますが、
個人的に直接お願いするときにはマナーを守り、
気持ちよく演奏していただくことが、良い演奏に結びつくと思います。
と、ソリスト側からのマナーを書いたのですが、、、
ピアニストの方が書かれている以下の記事がとても感動して、
勉強にもなったので、ぜひ読んでみてください。
発表会に参加される方は、合わせ前までにぜひ!
ピアノ伴奏者の心得 その1
ピアノ伴奏者の心得 その2 立ち振舞い編
ピアノ伴奏者の心得 その3 ピアノ以外の能力
こんなにも色々な気遣いをし、
覚悟を持ってお引き受けしてくださっている…!
発表会で伴奏してくださるピアニストさんも、
経験豊富で優秀な方々ですので、
きっとこのぐらい大変な努力をしてくださっています。
お互いにリスペクトをもって演奏したいですね!