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譜読みが遅い人はこれをやろう!


えーっと、最近すごく、ドラえもん大好き人間ということが


浸透しすぎてしまった気がするので、


今回は真面目に、誌上レッスンならぬ、「ブログ上レッスン」をしようと思います!



 



テーマは『譜読み』です。


譜読み、、、それはフルート奏者にとって、


避けては通れないものです。。。





生徒さんをみていると、



1.譜読みが得意で練習もきちんとしてある


2.譜読みが得意だけど練習していない


3.譜読みが苦手だけどたくさんの練習でカバーしている


4.譜読みが苦手で、練習しているけど週末だけの練習ではなかなか進まない


5.譜読みが苦手で練習もしない





いろいろな生徒さんがいらっしゃいます。





1と3は、レッスンできちんと吹ける生徒さんですが、


同じように見えていても、


レッスンしていれば、その生徒さんがどちらなのかはわかります。


2と4と5の生徒さんも同じ。




1の生徒さんは、放っておいても上手くなるのでよいとして、

(放っとかないですが!)


今回のお話は、特に3と4の生徒さんに向けたお話です。




2と5の生徒さんに対しては、


それをレッスンの中で取り組んでいただくことで、


練習してくる生徒さんに比べると進みは遅いですが、


できるだけ効率よく譜読みができるように工夫してお伝えしています。




 



『譜読みが苦手』にも、いくつかの原因があると思っているのですが、


私がよく遭遇するのは、



耳が良い



という、


一見なんでなんだろうと思われる特徴を持っている人です。




実は私もそれでして。



私自身が譜読みが全然できなかったので、


気持ちがすごーくすごーくよくわかります。




なぜ耳のいい人が譜読みができなくなるかというと、


いわゆる「耳コピ」できちゃうからなんですね。



私はピアノを習っていましたが、全く楽譜が読めませんでした。




楽譜を読めない、というか、


読まなくてもできてしまうから、読まなかったんですよ。


それでけっこう難しい、ソナタとかソナチネとかも弾いてたんです。


母がCDを買ってきて、次の課題はこの曲よ~!すてき~!


とか言って、そのCDを流していました。



しかし、曲がどんどん難しいものになっていくと、


さすがに耳コピだけでは厳しくなってきて、


楽譜を読まなきゃいけなくなって、


いざ読もうとしてみたら、


とんでもなく難しい曲なわけで、


お手上げ状態に。






フルートを習いに来るお子さんで、


ピアノを習った経験があるけれども譜読みができないお子さんは多いです。


そういうお子さんは、やっぱり、耳がいいです。




なので、初心者の方は、


フルートを習いたてで、楽譜が簡単なうちに、


楽譜を読む習慣をつけてほしいと思っています。





ちょうどピアノの譜読みがお手上げ状態になったときに、


私はフルートに出会いました。



初めてフルートを手にした日に、


私は全然音が出せなかったけれど、


ト音記号の1段だけ読めばよいということに感動し、



(理由はそれだけじゃないけど)


そのまま続けていくことになりました。




でも、そのト音記号1段すらも読めませんでした。


頑張れば読めましたが、すごく譜読みが遅かったです。




ではどうやって克服したのかというと、


高校生の時に、強制的にこれをやらされたからです!







『でたよ~!タファネル。。。』


これを読んでいるみなさんの声が聞こえてくるようです!笑



あ、待って!


このページを閉じないで!!


シャミナーデのコンチェルティーノを使って


具体的に説明していきますので


ぜひ最後まで見ていってくださいませ!







もうね、今の時代、


みなさんいろいろネットで調べていますよ。


フルート上手くなりたいなら、


ロングトーンやれ。


ソノリテやれ。


タファネルやれ。



みんな言ってますよね、フルートYouTuberたち。


もう聞き飽きているでしょうね~!笑



でもでも、結局やっぱりこれなんですよ・・・




そりゃ私だって、


楽しく上達していただきたいと思ってますよ!


何か画期的なもの見つけてきて、


これやれば上手くなりますよ~!!


とか、言いたいですよ。



しかしやっぱりこれなんですよー(泣)





私がこの『タファネルゴーベール』に出会ったのは高校生の時。


これやれ!って言われたからやりました。


とりあえず4番を暗譜でできるようにして!って先輩に言われて、


そこからタファネルを練習するようになりました。





やれ!と言われたものに対してがんばる力は、中学の部活で学んでいました。


だから、これをやる意味などは考えず、


ただひたすらにやっていました。




でも、特に大人のみなさんは、


なぜこれをやるのか、


なぜこれをやれば上手くなれるのか、


そういう理由がわからないと、なかなかやろうという気が起きないですよね。


特に、タファネルなんて、


楽譜開いてみたら、一瞬で閉じたくなりますもんね!笑


以前、初めてタファネルの楽譜を見た大人の方が、


「楽譜なのに、なんだか模様みたいですね」


と言っていました。確かに!!笑




なので、


前置きが長くなりましたが、


なぜタファネルをやると譜読みが早くなるのか、というのを


わたしなりに解説していきます。



そして少しでも、


『上手くなれるなら、タファネルやってみようかなぁ』


と思っていただける方が増えたらいいなぁと思います!




 




まず、私たちのやっているクラシック音楽は、


ほとんどが、


・音階


・半音階


・分散和音



この3つの組み合わせでできています。


もちろんこれだけではないですが、


ほとんどがこれです。




だからタファネルをやってほしいんです。




タファネルには、


・音階(4番)


・半音階(5番)


・分散和音(10番、12番)


これが全て網羅されています。


なので、


タファネルの


4番、5番、10番、12番だけでも良いので練習していただきたいです!




ただ、このように説明したところで、


これをやってくれるひとは


おそらく半分以下な気がします。




そういう生徒さんには、実際に、曲を演奏する上でつまづいた時に、


再度その話をして、


タファネルの大切さを知っていただくようにしています。



大好きな曲を演奏するためなら、


少しの基礎練をやってみよう、という気になれますよね!





今回は、


シャミナーデ作曲の『コンチェルティーノ』の


カデンツァ部分を例に見ていきましょう!



この曲が大好きで、演奏したいけれど、


譜読みにつまづいて挫折したことがある



とおっしゃっている生徒さんがいました。




以前も、


「この曲をどうしても演奏したい」


と言っていた譜読み苦手な生徒さんが、


がんばって挑戦して発表会で演奏した、ということがありました。




この曲のカデンツァは、


譜読みについて相談されることが多いので、


譜読みにつまづきやすい部分なのかもしれません。




この曲のカデンツァ部分はこんな感じ。






とりあえず#がたくさんありますね!


音も飛んでますね!!


読む気なくなりますね!!!笑



でも、冷静に、一つずつ見ていけば、


そんなに難しいことはやっていないんです。



楽譜を色分けしていますが、


赤は、3和音の分散和音


黄色は、4和音の分散和音


緑は、半音階


です。




タファネルでいうと、


赤は、10番


黄色は、12番


緑は、5番



です。




ちなみに青はメロディで、


この曲の冒頭に出てくる旋律です。



あえて言うならこの部分は音階です。




楽譜の①


ファ#、ラ#、ド#


この3和音でできています。


「ファ#、ミ#、ファ#」などの赤で囲った部分は、


ファ#、ラ#、ド#ではない音が出てきていますが、


次の音とは半音の関係です。


本当は、ここら辺全体はファ#、ラ#、ド#の和音なんだけど、


ちょっとオシャレにしたくて半音の音を混ぜてみた、みたいな捉え方で良いと思います。


一応、和音外音と言ったりします。





楽譜の②



ここも実は、


ファ#、ラ#、ド#


この3和音でできています。



スラーのあとの音はファ#、ラ#、ド#になっていますね。


その前の音は、全て、その半音下の音です。



「ダブルシャープがあると読む気なくなります」


とおっしゃる方は多いですが、


ダブルシャープっていうのは、ほぼほぼその前後の音と半音関係にあります!


↑これ要チェック!(なぜかを話し出すと長くなるので今回はやめておきます)


そう思ってダブルシャープを見ていただくと、少しはダブルシャープもかわいく思えるかも!?



楽譜の③


③が2箇所ありますが、ここは、


ラ、ド#、ミ、ソ


この4和音でできています。



楽譜の④


ここはちょっといろいろな捉え方がありますが、


タファネルでいうと、


12番の11小節目。


ラ、ド、ミ♭、ソ


と同じです。ちょっと表記が違っていますが、、


これは調性の問題とか、いろいろあります。




楽譜の⑤~⑧


ここは


ラ、ド#、ミ、ソ


この4和音を基本として、


⑥はベースがラ#に、


⑦はベースがシに、


⑧はベースがドに変化していて、


そのベースの変化は、


ラ→ラ#→シ→ド


と、半音階で動いています。





どうでしょうか?


難しそうな楽譜も、


ぜーんぶ、タファネルで説明がついちゃうんですよ!



普段からタファネルをやっておけば、


ここはこれが使われてるのかー!


と気がつくことができ、


譜読みが一気に速くなります!




経験者の方でうちにレッスンにお越しになる方、


中級者以上の方は、


わりとタファネルの楽譜を持っている方が多いです。



でも、譜読み苦手な方は、


タファネル挫折者が多いです。



一気にやるのは難しいけれども、


一週間で4小節、


二週間で8小節でもいいのでやってみていただけると、


少しずつではありますが、


見えている世界が変わるのではないかと思っています!




先日、


この解説を実際に生徒さんにしてみました。


「タファネルって大事ってよく言うけど、


本当に大事だったんですね!


これは辞書だ!!」



とおっしゃっていました!





エチュード(練習曲)をこなしていくことでも、


それぞれのパターンを身体に入れて


自然に染み付いている方もたくさんいらっしゃるのですが、



そのエチュードの譜読みが苦手、 という方は、

初心者の方はロングトーン、


初級者の方は音階練習から始めていただきたいですが、


中級者以上になったらぜひ、



ぜひ取り組んでみてください!







最後に、、、



シャミナーデのコンチェルティーノを演奏してみたい!


と思われた方は、


パブリックドメインになっていますので


こちらからダウンロードしていただけます!



ただ、この曲をきちんと勉強されたい方は、


楽譜を購入された方が良いと思います!



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